1月22日〜23日、香川県にて、町の工務店ネット全国総会が開かれました。
香川の会員3社の建物・拠点見学と、講演、基調報告に加え、16社の工務店からの報告・発表という豪華プログラムです。
建物見学 菅組
完成したばかりの菅組の新モデルハウス「讃岐緑想」は、設計者の堀部安嗣さんに解説いただきながらの見学です。ランドスケープは田瀬理夫さん。隣接の「古木里庫」もみせていただきました。
建物見学 金丸工務店
自社隣接のヴィレッジ戦略「暮らしの森」と、ほど近い自社分譲地の中の、すでに住まわれている建物を見学しました。
建物見学 和住宅
土佐材を使った平屋の住まい。引き渡し前の建物を見学させていただきました。
講演 もるくす建築社 佐藤欣裕
石油やガスなどの「強いエネルギー」は、機能・要望を詰め込んでなんとかなってしまう。それは地域性を失う、ということでもあります。
一方で自然エネルギーは「弱い」エネルギーです。一日の間に変動もあります。けれど、無料で手に入るし、その変動を活かせれば快適にすることも出来ます。
断熱は、省エネのためにする、と思っている人が多いのではないでしょうか。けれど、そうではなくて、表面温度をあげるため、それは暮らす人のためだ、という人間第一主義に立つということ。
そうした視点からの、実践を通じた確固たる世界を見せていただきました。
工務店各社発表
建物見学の三社に加えて、四国の工務店からは自社紹介を、他、全国の工務店からも、さまざまな仕事の紹介をいただきました。
多様な工務店の話を聞ける、大変よい機会となりました。
発表者の皆様
菅組 菅徹夫
金丸工務店 藤田薫
和住宅 壷谷泰三
建築工房悠山想 宮本繁雄
コラボハウス 赤藤允俊
勇工務店 山本効
新日本建設 土居由美
木楽舎 あんどう住宅設計室 安東洋輔
番匠 眞瀬悦邦
入政建築 新野達治
スローハンド 森田勝明
リンケン 田村浩一
滝口建築 滝口伸一
大塚工務店 大塚伸二郎
いなほ工務店 本峰久
建築家から
中規模木造プロジェクトに取り組んでいる趙海光さんからは、4mの無垢材を使ったシステム化の取り組みが紹介されました。
秋山東一さんには、壇上から工務店各社の取り組みへの激励をいただきました。
町の工務店ネット/手の物語から
基調報告 「2020→2026 活動指針」 町の工務店ネット代表 小池一三
今回のスローガンとして打ち出した「上質感ネットワークへ」。
Luxury(高級)ではなく、well being(上質)。
イメージされるのは、アントニン・レーモンドの「5つの原則」です。
1.自然(Nature)
2.単純(Simple)
3.直截(Direct)
4.正直(Honest)
5.経済性(Economy)
なぜ2020→2026の6年なのか。経済も、税と福祉も、気象危機の行方も、住宅のあり方も、この6年で決まるから、と考えています。
上質感を打ち出して訴求力を持ち、全体力を高めるための結集を訴えました。
佐塚昌則からは、「webびお」と各社による「ちいきのびお」の位置づけと、新しくはじまる工務店による連載の話を、松原美樹からは、各地で進んでいるびおソーラーの中規模施設への導入についての報告を行いました。
オプショナルツアー
ツアーは2種類。土佐コース、阿波コースに別れます。
土佐コース
堀部安嗣さんによる案内で、竹林寺納骨堂・本坊・庫裏を見学しました。普段は見られないようなところまで、じっくりみられるまたとない機会となりました。隣接する牧野富太郎記念館(設計/内藤廣)のホールにて、堀部スクールも開催です。
翌24日は、会員の勇工務店が手掛けた障がい者支援施設と、環境省エコハウスモデル事業に採択された高知エコハウスの見学です。どちらも空気集熱式ソーラーを採用し、その暖かさをみなさんにも体感いただきました。
阿波コース
六車工務店+六車誠二建築設計事務所による、小径木を活用する「若杉活用軸組工法」による商用施設と、古民家改修物件を、六車 昭さん、六車誠二さんのご案内で見学しました。材の調達から設計、そして施工と、芯が通っているというのはこういうことか、と一同唸るばかり。
翌24日は、びおソーラーが導入された神山町の町営住宅をテーマに、神山町在住の働き方研究家・西村佳哲さんと、神山町町営住宅周辺のランドスケープデザインをされた田瀬理夫さんの話を伺いました。人の居場所をつくるってこういうことか、という、示唆に溢れた話がいっぱいでした。