里・農・住を見通す
「凡庸な陳腐」が蔓延する日本の郊外の風景にあって、必然から生まれた珠玉の住宅を見学し、里・農・住を見通した、これからの住宅の在り方について学ぶ、充実の2日間。
【とき】11月21(火)~22日(水)
(21日(火)建物見学 / 22日(水)セミナー)
【セミナー会場】横浜ラジアントホール(関内)
(21日 交流会会場:パセラ横浜関内店 / 宿泊:チサンホテル伊勢佐木町)
【参加費】参加内容および参加費
※参加内容及び参加費は、上記をクリックください。
〈共催〉一般社団法人 町の工務店ネット
一般社団法人 田園居住推進協議会
〈後援〉 筑摩書房・新建新聞社
【お申し込み方法】
下記の登録フォーム、または申込用紙(PDF)にご記入のうえ、FAXにてお申込み下さい。
※Aコースは定員に達しました。コースCは残り僅かです。
※セミナーの参加は、引き続き受け付け中です。
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・お申込用 登録フォーム
・申込用紙(PDF)
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初日(21日)建物見学/建物見学は3つのコースの選択制
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コース A
1 吉村順三 設計による 茅ヶ崎の家
【ご案内】堀部安嗣
建物を引き継がれた家主さんからもコメントをいただきます。
2 堀部安嗣 設計による 葉山の家
※父母の家 【ご案内】堀部安嗣建築設計事務所
コースB 小住宅を見て回る
1 堀部安嗣 設計 鎌倉・雪の下の家
施工/デライトフル 【ご案内】 小林潤
2 ちっちゃい辻堂【ご案内】 石井光
設計/ビオフォルム環境デザイン室・山田貴宏
償却期間30年の超サイクルで建てられた借家建築。
コース C
1 ゆりが丘ヴィレッジ
建築設計/SUM建築研究所
ランドスケープ/プランタゴ(田瀬理夫)
【ご案内】 井出敦史
日本建築家協会(JIA)25年賞受賞。現在、築後37年。
2 永田昌民 設計による 美しが丘の家
ランドスケープ/プランタゴ(田瀬理夫)
【ご案内】 松村幸次
3 趙海光 設計による 王禅寺東の家
施工/中山建設 【ご案内】 趙海光・中山周平
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2日目(22日)セミナー
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1. 迫 英徳(シンケン代表)× 趙 海光(建築家)
【ファシリテーター】 小池一三(町の工務店ネット)
鹿児島シンケンの「スタディハウス」を解読する。
本年5月、町工ネット主催による「九州縦断建物見学ツアー」が開かれ、鹿児島シンケンが満を持して発表した「スタディハウス」に、参加した工務店は度肝を抜かれました。提示された価格では自分のところではやれない、どうしてシンケンはやれるの?に疑問が集中。中身を解剖したいとシンケンに申し入れ、「解読チーム」(趙海光・松村幸次・村田直子・藤井信明・小池一三×迫英徳・シンケンスタッフ3人)を編成しました。この内容は、現在、制作が進められている書籍(筑摩書房刊)に掲載の予定ですが、対論では「シンケン・スタディ」の全体と細部の関
係・スケルトン・性能・コスト等々について、見えてきたこと・まだ見えていないことについて、「解読チーム」が詰めてきたことを語り合っていただきます。
2. 泉 幸甫(建築家)× 竹林 知樹(ランドスケープアーキテクト・技術士)
リモート参加 服部 圭郎(ベルリン工科大学客員教授)
【ファシリテーター】 西村佳哲(リビングワールド代表)
アメリカの地方都市のダウンタウンが疲れ切り、郊外店に人が寄るのは似ているけど、日本はシャッター街のおまけがついています。一方、農村では過疎が進行し、耕作放棄地が増えています。まちと人、住まいとの関係の今と明日を考え、建築にやれることを掘り下げます。『動いている庭』(みすず書房)の著者フランスの庭師ジル・クレマンとフランス文化財団の招きで、この夏、フランスとドイツで講演し、各地を視察してきた田瀬理夫さんと、名作「Apartment 鶉」で知られ、「家づくりの会」を起こし「家づくり学校」校長を務める泉幸甫さんに、ドイツからリモートで参加する都市学者服部圭郎(ベルリン工科大学客員教授)さんが加わり、〈まち〉のつくり方、これからのパタン・ランゲージ(体系)について語り合っていただきます。
<お知らせ>
プログラム2は、田瀬理夫さんの登壇を予定していましたが、体調を崩され、現在、入院中です。このため22日のセミナーの参加を見合わされ、代わりに、田瀬さんと一緒にこのプロジェクトに取り組む竹林知樹 (九州大学 非常勤講師・Takebayashi Landscape Architects代表)さんに登板いただき、田瀬さんが発表を予定されていた最近の計画事例 (「里山のある町角in袋井宇刈」の案件) について説明していただくことになりました。
3. 中島 岳志(政治学者)× 堀部 安嗣(建築家)
中島岳志さんに『思いがけず利他』という本があります。この本で中島さんは「利他は偶然にやってくる」と書いています。その例として「染色家の志村ふくみは色を染めるのではなく、草木が抱いている色をいただくと表現する。料理家の土井善晴はおいしいものをつくるとは言わない。おいしさはやってくるもので、人は自然に沿いながらそれを整えるだけ」ということを挙げています。堀部さんの設計を見て思うことは、どの建物もその土地と住まい手に対応した結果、このカタチが必然的にかつ自然に生まれたと実感できることです。中島さんは、ナチスのアイヒマンの裁判に関してドイツ人の哲学者ハンナ・アーレントが問題にした「その悪の何と凡庸なことか」に触れ、この「凡庸な悪」が「日本に蔓延している」と別の本で言われています。今の日本の都市風景は、別段それを意図したわけでないのに「凡庸な陳腐」が蔓延しています。我々は本来の職能に立ち戻り、今こそ「思いがけず利他」を発揮しなければ、と思うのです。
〈まちのえ〉と〈さとのえ〉
【案内役】 山田貴宏(建築家・ビオフィルム環境デザイン室代表)
発表1 石井 光(ちっちゃい辻堂・貸家事業者)
発表2 赤塚 慶太(宮城・坂元植林/広報)
発表3 山田貴宏(建築家・ビオフィルム環境デザイン室代表)
神奈川県辻堂。湘南地域最大規模の大型商業施設。ファッション、インテリア、レストラン、シネマコンプレックスなどが展開されるJR辻堂駅北口と、松林の海辺に通じる商店街と民家が伸びている駅南口。「ちっちゃい辻堂」(7軒の借家群)は、昔ながらの南口の光景の中に建っています。この事業を起こした石井光さんは32歳。「この辺りは昔から辻堂に住んでいる人が多い」と言います。石井さんの愛郷心が生んだちっちゃい町ですね、と言ったら石井さんの頬が赤くなりました。「さとのえ(建築地周辺では、○○のイエを、○○の“エ”と発語する)」が建つ柴田町は、仙台市から南へ25km、蔵王連峰をのぞみ、おだやかなやまなみに囲まれた町です。坂元植林はこの町で植林と製材を営んでいます。
田園居住推進の現段階
【案内役】 松村幸次(田園居住推進協議会)
発表1 水田 和弘(熊本・ミズタホーム)
発表2 伊神 斉(岐阜・いがみ建築工房)
発表3 佐藤 慶一(長野・椿建築所)
発表4 藤田 薫(香川・金丸工務店)
発表5 小澤 典良(静岡・造居)
「里山住宅博in神戸」を起点にすると、町工ネットが、田園居住推進の取り組みを開始してもう6年になります。地域工務店は、地域の一隅を照らす役割を負っていますが、どこでも「地域らしさ」が磨滅し、その地域固有の魅力が失われています。地域工務店が担う“職能”に立ち戻り、各地で粘り強く取り組まれている前線のお話を5人のメンバーに語っていただきます。
今の農村問題と「農ある生活」について
【案内役】 松村幸次(田園居住推進協議会)
報告 河原あゆみ(霞が関行政官)
これまでの郊外居住は、街の側の「ベッドタウン」(寝に帰る街)として形成され、都市郊外のスプロール(無秩序、無計画)化をもたらしました。一方、耕作放棄地が増加しました。河原さんは、若い世代・子育て世代の農村移住に目を向けられ、その生活のベースとなる「農家住宅」に熱心に取り組まれて来ました。その体験とこれからについて思いを語っていただきます。
※敬称略
<お問合せ>
一般社団法人 町の工務店ネット
〒432-8044 静岡県浜松市中区南浅田2-2-1
TEL:053-570-9001 FAX:053-570-9007
info@machi-no-komuten.net
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2024 年春、筑摩書房より発行予定! 全256 ページ
『太陽と緑に抱かれて住まう』(仮題)
編・まちとすまいプロジェクト 発行・筑摩書房