「緑の学校」 予備学習会を開きます

~ 住まいから緑を広げる 町を自然で彩る ~
建築と共に外構や庭まで、”緑”を仕事にする。「緑の学校」とは、建築業界が植物を学ぶための講習です。

現在「里山のある町角 in 宇刈」を計画中の現地より。今、日本の野山は、こんなもっこりした山ばかりです。瑞々しい山を取り戻すために、こんな木の苗木やタネを植え、ゆっくり成長を待とうと考え選びました。

一般社団法人 田園居住推進協議会が取り組む土地分譲計画「里山のある町角 in 宇刈」について、ユーザーを対象としたプレゼン会を7月28日に開き、計画の全容が発表されます。
その翌29日に、9月を期して開校予定の 「緑の学校」の予備学習会を開くことにしました。プレゼン会で発表した内容をトレースしながら、これから〈 まちづくり〉 を進めるための基本理解と、ヒントの数々をお伝えします。そうして事業の可能性を信じられたら、9月開校の 「緑の学校」 にご応募ください。

【開催日】2024年7月29日(月)
【参加費】 25,000 円(人・税別) 講師費・資料費・会場費・移動バス代・昼食費等含
 ※交通費・宿泊費・交流会費等は、個々にてお願いします。
〈主催〉一般社団法人 田園居住推進協議会 /〈協賛〉 一般社団法人 町の工務店ネット

<「緑の学校」 予備学習会を開きます ニュース(PDF)>

今、なぜ「緑の学校」なのか?

4年間の時間をかけて準備してきた「里山のある町角in 宇刈」の現場が動き出しました。ランドスケープ計画は田瀬理夫。静岡県西部地方の9社の工務店が参加し、〈まちづくり〉 の学びを得ながら、ようやく住宅設計をまとめる段階へと入りました。
独創的なランドスケープで知られる田瀬理夫が切り開いたメソッドを学ぶのは簡単でありませんが、目からウロコの毎日で、一同、そのおもしろさに惹かれています。我々だけではもったいない、コロナ禍を経て、これからの 〈まちづくり〉 を模索している各地のメンバーにも呼びかけて、今、学んでいることを体系的につかみたい、そしてこれからの仕事を進める上で、実際的に身につくやり方でということになり、「緑の学校」を思い立ったという次第です。

自生種、讃 。

地域の緑の現実は外来種に勢いがあり、自生種は逼塞していて、およそ元気がありません。それでも可憐に生きている自生種を見つけ出し、主人公は君だよと言ってあげ、保護し、元気を与え、蘇らせる取り組みを始めます。
自生種だとどのように見分けるのか。外来種の色は概して濃いのに対し、自生種は色が薄く、威張っていないのが特徴です。今は日本の野の色は外来種の色に染まっていて、先にも書いたように自生種はひっそりと生きています。
染め物の草木染や野山染の色は、ほとんど自生種です。地味だけど落ち着いていて、ときに凛とし、媚びない美しさがあります。自生種の草花は、決して自分色を失ったわけでなく、それを気づいていない人の側に問題があるのです。
地域の野が草木染の色になったことを想像すると、今の日本人が見失っていたことに気づきます。
もしそれに懐かしさを感じるとしたら、日本人の感性の奥深くに残っている遠い記憶がそうさせているように思われます。

都市のグリーンインフラとは?

超高層ビルを建てるために、貴重な7000本の木を伐採するという、神宮外苑再開発が問題視され、ユネスコの諮問機関であるイコモス(ICOMOS)が中止を求める警告を出しました。これを許可した東京都に対し坂本龍一・村上春樹・桑田佳祐らが反対を表明し、都知事選挙と相まって政治問題化しています。都市のグリーン・インフラについて今後議論が沸騰し、地方にも波及することでしょう。
そもそも都市緑化の効果は、①環境への効果の高さ、②大気の浄化、③熱の吸収、④防災機能、⑤心身のストレス緩和が得られます。
青々とした草木や樹木が風に揺れると、部屋の中を緑風が通り抜けます。
地球上の生きものは、40億年という長い歴史の中で環境に適応しながら進化し3000万種ともいわれる多様な生きものが生まれました。これらの生命は一つひとつに個性があり、全て直接に、あるいは間接的に支え、響きあって生きています。
我々の自生種の取り組みは生物多様性を保持する一環のものです。
ささやかではありますが、自分たちなりのグリーン・インフラを生み出したいと念じるものです。

まずは「緑の学校」予備学習会にご参加ください。

「緑の学校」を9月または10月に開校したいと考え、一番肝心のカリキュラムの内容を練っています。
授業は毎回2日間、2ヶ月に1回、全5回の予定で開きたいと考えています。場所は、実習会場は宇刈の現場と周辺の野山、座学は地元の公共施設で行います。
主な講師陣は、西村佳哲(リビングワールド)・大澤啓志(日本大学生物資源科学部教授)・鎌田あきこ(ユニットタネ)・竹林知樹(Takebayashi Landscape Architects)・坂田卓也(アトリエ樫)・小池一三(町角プロデュサー)・ 教務主任は松村幸次(田園居住推進協議会) 。
主催は一般社団法人 田園居住推進協議会、協賛は一般社団法人 町の工務店ネット・遠州木の家づくりクラブ。詳細は、予備学習会にて発表します。

【お申し込み方法】
下記の申込用紙(PDF)にご記入のうえ、FAXにてお申込み下さい。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
「緑の学校」「緑の学校」予備学習会参加申込書(PDF)

 


講師紹介

西村 佳哲(にしむらよしあき)

1964年東京都生まれ。リビングワールド代表。武蔵野美術大学卒。つくる・書く・教える、三種類の仕事をしている。建築分野を経て、ウェブサイトやミュージアム展示物、公共空間のメディアづくりなど、各種デザインプロジェクトの企画・制作ディレクションを重ねる。『いま、地方で生きるということ』(2011 ちくま文庫)、『一緒に冒険をする』(2018 弘文堂)、『ひとの居場所をつくる』(2020 ちくま文庫)など著書多数。


大澤 啓志(おおさわさとし)

1968年生まれ。日本大学生物資源科学部教授。神奈川県出身。日本大学大学院農学研究科博士後期課程修了。日本大学博士(農学)。新日本気象海洋株式会社、日本文理大学工学部専任講師、慶應義塾大学総合政策学部専任講師を経て現在に至る。


坂田 卓也(さかたたくや)

1963年静岡県生まれ。筑波大学芸術専門学群建築デザインコースを卒業した後、増沢建築設計事務所に勤務。1997年の春、高知県生まれのパートナー 坂田洋子とともに一級建築士事務所アトリエ樫を開設。1999年には「東若林の家(自邸)」で、第6回OM地域建築賞・優秀賞を受賞。趣味は子育てと料理。


竹林知樹(たけばやしともき)

(株)Takebayashi L andscape A rchitects代表、九州大学非常勤講師。事業や地域に関わる多様な人たちが、より深いところで共感し共有しうる風景の豊かさを目指す。「袋井宇刈プロジェクト」に参画中。実績にアクロス福岡ステップガーデン修復植栽、JR肥前浜駅前広場、遠賀川直方の水辺(2009年度土木学会デザイン賞最優秀)。


鎌田あきこ(かまたあきこ)

ランドスケープ設計事務所、ユニットタネ共同代表。神奈川県横浜市生まれ。大学時代は日本女子大学住居学科小谷部研究室で建築分野を学び、東京ランドスケープ研究所勤務。さらに造園分野を学ぶため千葉大学造園学科都市環境デザイン学宮城研究室に所属(研究生)、のち、㈱プランタゴに勤務し田瀬理夫氏に師事。1999年鎌田唯史とユニットタネを起業。2009年法人化。1級造園施工管理技士、自然再生士。


ファシリテーター:松村幸次(まつむらこうじ)

田園居住推進協議会理事。コピーライター、エディター。長年OMソーラーにて広告、広報業務を担当。独立後は工務店を中心にweb、販促ツール等の制作、雑誌『住む。』の制作に携わるほか、日本ボレイトに在籍し広報業務も担当する。


小池一三(こいけいちぞう)

1946年京都市生まれ。一般社団法人町の工務店ネット代表・手の物語有限会社代表取締役。「愛・地球博」で「地球を愛する世界の100人」に選ばれる。雑誌『チルチンびと』『住む。』などを創刊し、編集人を務めた。「近くの山の木で家をつくる運動」宣言の起草者であり、この本の執筆者でもある。

お申し込み方法

下記の登録フォーム、または申込用紙(PDF)にご記入のうえ、FAXにてお申込み下さい。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
「緑の学校」「緑の学校」予備学習会参加申込書(PDF)

<お問合せ>
一般社団法人 町の工務店ネット
〒432-8044 静岡県浜松市中区南浅田2-2-1
TEL:053-570-9001 FAX:053-570-9007
info@machi-no-komuten.net

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