「小さなまちづくり・田園居住研究会」が神奈川で開催されました。

先月7月19(水)~20日(木)、神奈川にて、
「小さなまちづくり・田園居住研究会」が開催されました。
この集まりは、「小さなまちづくり」に取り組んでいる、
取り組もうとしているメンバーを中心とした、プロジェクト型研究会です。

一日目は、業者任せではなく、
自分の分身のようにして敷地を計画し、
建物を建て、生活の場を供することで、
新しい「里」を築こうとしておられる、31歳の若き地主が、
「100年先の辻堂を想像して、その最小単位をつくる」
という思いをカタチにした「ちっちゃい辻堂」の見学でした。

大らかな緑に包まれる「ちっちゃい辻堂」

コモンスペースを中央に、4棟の木の家(借家)が配されたそこには、
緑風が心地よく通り抜ける「暮らしの場」が生み出され、
暑さも少し落ち着いたこの日、
なごやかに見学の時は過ぎて行きました。

二日目は、「ちっちゃい辻堂」の詳細についてを
土地・植栽・建築の各分野からご発表いただくとともに、
ランドスケープデザイナーの田瀬理夫さんにご登壇いただき、
その後、フリートークでの話し合いの時間がもたれました。

初の開催となった「小さなまちづくり」プロジェクト型研究会 in 神奈川

プロジェクト型「田園居住研究会」の初の開催となりましたが、
あらためて、「集まって住むことにより風景をつくる」という意味を
強く心に留めるとともに、その価値を共有することで、
その価値に共感する人たちが集まる、ということを、
実感することができました。
この体験はまた、「敷地の管理が大変ではないか?」という声への
ひとつの回答ともなって、住んでいる人が自主的にやれる
という想像から期待へ、そして確信へと導く、
大きな後押しともなったようです。

建築家の山田貴宏さん

建物の設計を担当された、ビオフォルム環境デザイン室の山田貴宏
さんは、ずっと以前からこうした価値観をカタチにされて
きましたが、ようやく時代が山田さんに追い付いてきました。

さて、もしも、「土地の再配分により町の風景が劣化していくこと
をやめ、こうして地域の風景を残すための利用のあり方は、
これからの地主にとっての社会的使命ではないか」、
と言い放つとすれば、わが町に住宅を建て、家守りとして地域に
根づく地域工務店に向かい、この言葉はそのまま
戻ってくるのではないか…。

地主の石井光さん

あらためて、「町の工務店憲章」に綴られた一文
「その家は、その家の前を歩く人の家でもある」を思い起こし、
もうすぐ32歳を迎える(*開催時)若者の
清くしなやかにして強靭なる果敢な取り組みの間近に接し、
建築と向き合う背筋を伸ばした二日間でもありました。

 

*「小さなまちづくり」にご関心がある地域工務店の皆さま、
ぜひ一緒に取り組みませんか?  (一社)町の工務店ネット
まで、お気軽にお問合せください。

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