適材適所、だけじゃない素材の選びかた

橋を渡ろうとしたら
ただよってくる
ヒノキの香り…

京都の三条大橋で
橋の高欄(柵)の交換工事
をしていました。

三条大橋といえば
鴨川にかかる東海道五十三次の
終点、かつての交通の要所です。

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地域をよくする工務店を
応援するネットワークの
佐塚です。

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エスカレーターの
左側が開いていると
関西に来たなあ〜と感じます。

(2列で立ち止まれ、というの
なかなか普及しませんね)

一昨年まで娘が京都にいたので
よく行っていたのですが
引越し以来の京都です。

三条で乗り換えだったので
食事をしようと
三条大橋を渡ろうとしたら

ヒノキの香りが漂ってきたのです。
(この距離まではにおいませんよ、流石に)

三条に橋がかかった最初の記録は
室町時代までさかのぼります。

その後、豊臣秀吉が日本初といわれる
石柱の橋を架けさせたそうです。

江戸から近代にかけて
豪雨による流出などを経て
昭和25年に現在の形になりました。

鴨川といえば「川床」
娘は行ったことあるそうですが
僕はありません。
(高そうだし…一見さんはお断り、なんてことはないか…?)

交換する前の高欄は
昭和49年に作られたもので
タイヒ(台湾檜)だったそうです。

タイヒは今は使えませんから
今回は、京都・鞍馬山の
ヒノキを用いています。

伐採、出材、製材などの
プロセスが仮設の柵に
展示されていました。

この工事は落札金額
2億3500万円とのことです。

橋の架け替えではなく
高欄の更新だけの金額です。

ふるさと納税でも
寄付を募ったりと
それなりにお金がかかっています。

おそらく市民や議会にも
そんなお金をかけるな
という声もあったでしょう。

一方で、これからは
コンクリート製にします!
なんて提言しようものなら…

それはそれで猛反対が
出るんでしょうね。
(特に、京都だし)

歩道からだと柵で
よく見えないので外側から。

さらに寄るとこんな感じ。

僕は、木が好きだし
木の家が好きです。

でも、なんでもかんでも
木で作る必要はないとも
思います。

RCの方がいいケースだって
たくさんあります。

市民でも納税もしていない
通りすがりの立場だけど
今回は木で良かったと感じたなあ。

一つ声を大にして言いたいのは
本物で作って欲しい
ということ。

万が一
こういう擬木になっちゃったら
目も当てられない。

コンクリートならコンクリートのデザイン
木なら木のデザインがあるのに…

今回のケースでは
歴史や文化という
背景もあるけれど

多くの人や企業が寄付をした
という思いがあります。
(なかなか集めるの大変だったようだけど)

材料は適材適所
さらにそれに加えて
背景、思い、気持ちが大事だな〜

なんて、たまには
柄にもないことを言ってみました!