ピンポイントで気象データを取得する

東海地方は5月末から梅雨入り。
台風が早くも日本接近。
そして昨日の豪雨。


NHKニュース・防災アプリから。

線状降水帯というやつですね。
全国的に大雨でしたし、東日本では
今も降り続いているようです。
みなさんおかわりございませんでしょうか。

昨日は夜に豪雨が予報されていたので
事務所は早上がりにして明るいうちに
帰りましたが、すでに道が川状態でした。

近隣では、磐田市で敷地川が決壊するなど
各地で被害がありました。

異常気象だったものが
日常になってきているようで
この先も安心できませんね…。

さて、今日は天気の話題ですが
降っている雨をなんとかする
というものではありません。

すぐに役立たなくても
いつか役立つかも、の
気象データの話です。

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地域をよくする工務店を
応援するネットワークの
佐塚です。

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従来、建築用の気象データには
「EA気象データ(拡張アメダスデータ)」
が使われてきました。

天気予報によく出てくる
「アメダス」のデータの
欠測や異常値を修正したものです。

EA気象データに含まれる地点は
おおよそ840地点。

840というとかなりの数に
見えますが、実際には

静岡県西部の場合は
「浜松」「天竜」「佐久間」
「磐田」の4地点しかありません

従来は、この中から
一番気象条件が近いと思われる
地点を選んで気象データを使ってきました。

ところが、この状況に変化が現れています。

建築研究所が昨年公開した
ArcClimate(アークラメイト)」
という気象データ作成ツールがあります。

全国の任意の地点の
1年間の気象データを生成できる
というものです。

記録したデータではなく
計算で生成しているそうです。

ちょっと試してみました。

こちらはウチの事務所の
気温・降水量。標高は2.8mぐらい。

こちらは、僕の自宅付近。
直線距離で6kmほど北西方向
標高は37mぐらい。

たった6kmで結構違いますよね!

最高気温、最低気温は
思いの外、差がありました。
でも平均気温はだいたい似た感じ。

降水量は、結構違います。
(グラフの目盛りが
異なっているので注意)

会社のあたりは梅雨がないのか?
というぐらいに6月、7月の
降水量が少ない。

実感としてはわからないけど…。

でも確かに、家の周りは土砂降りでも
事務所は晴れている、ということが
よくありました。

この他、風向風速とか

湿度・日射の情報なんかが得られます。

どこまで実態に近いのかは
わかりませんし、今回のような
異常な集中豪雨はどう処理されるのかな?

(2011年からの10年データで
計算しているということなので
平準化されるんだと思いますが)

とはいえ、かなり距離が
離れたアメダス地点よりも
実態に近いのかもしれません。

普段から仕事をしている地域であれば
いつもの設計、いつもの仕様で
いけるはずです。

でも、ちょっと離れた初めて仕事を
する場所だったりすると、思いの外
気象条件が違うかも知れません。

省エネ基準の地域区分は
自治体区分別になっています。

一方、お天気は、当然ながら
自治体の境界線上できっちり
変わるわけではありません。

だから
「ここ、どう見ても6地域じゃないだろ〜」
という場所が、6地域だったりします。

本当は5地域並みの場所だったとしたら
HEAT20 G2ギリギリの外皮性能では
実質、G1になっちゃいますね。

そこまで極端なことは
少ないかも知れません。

けれど、建築地の実態を少しでも
つかんでおいて、後悔のない
家づくりをしたいですよね。

webで簡単に取得できる
ページがあるので
ぜひ試して見てください。

建築設計用気象データ