義務ではない部分で競えばいい

地域の一隅を照らす工務店を応援したい佐塚です。

昨日4月1日から、自転車のヘルメット着用が努力義務化されましたね。

道ゆく自転車を気になって眺めてみましたが、ロードバイクなどの、「今までも被っていただろうな」という人が被っているだけで、ほとんどの人はノーヘルでした。

道路交通法 第63条の11 第1項に
「自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。」

と書かれています。これが、「義務」であれば、

「自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらなければならない」
となるわけです。

でも、努力義務はやがて義務化されることもあります。例えば、パワハラ防止法はちょうど一年前から中小企業にもパワハラ防止のための具体的措置を講じることが義務化されています(ちゃんとやってますか?)。

そして、建築業界の義務化といえば、2年後の4月にやってくる(ことになっている)、新築住宅への省エネ基準の適合義務化ですね。これまで先送りがされてきたけれど、今度こそは、という感じで受け止めている人が多いでしょう。

国交省の広報漫画『待って!家選びの基準変わります』から。

工務店の反応にもいろいろあって、義務化に対して、大歓迎、すでに十分な外皮性能を誇っているのでなんの問題もない、というところ。

なんか義務化されるらしいけど、うちは大丈夫だと思うよ、ぐらいのぼんやりした感じのところ。

そして、明確に反対しているところ。

反対と言っても、難しいからとか、工務店のレベルが追いつかないとかいう話ではありません。
外皮性能を満たさないけれど快適で省エネルギーの暮らしができるような家を作っている工務店にとっては死活問題になってしまうからです。

省エネルギー、低炭素は社会の要請であり、義務化というのは一つの方法ではありますが、多様なやり方を奪う、という方法によって、苦しんでいる工務店もあります。

これに対して、「気候風土適応住宅」の認定で対応する動きがあります。省エネ法の外皮基準は満たさないが、地域にあった環境性能を持っている家を建てられる、という、まさに「建築できることは建築でやる」を地でいく取り組みです。

結論。外皮性能だけでなく、総合的な環境性能で競おう!