固定種の野菜を通じて思うこと

休日は猛烈に作りおき料理をしている佐塚です。
普段はスーパーマーケットかファーマーズマーケットで野菜を買うことが多いのですが、今日は地元の生産者が集まる「森の朝市」で野菜を買ってきました。

このマーケットでは、手作りのスイーツや飲み物なども売られているのですが、僕はできるだけ素材に近い状態から自分で加工したいので、あまりそういう方面には興味がなくて、もっぱら素の野菜(って言い方あまりしないかな)の方に関心が強いです。

今日は、きらり農園さんで主に固定種の野菜を買ってきました。

サラダ用の野菜セット。みんな固定種だそうです。

新作のドライキウィ。酸っぱさの後に甘さが来る。

固定種ってなんぞや、という方も多いかと思います。
一般的に流通している野菜の多くは固定種ではなく「F1種」というものが多いです。F1とは、first filial generation(雑種第一世代)のことで、農業生産用に交雑された第一世代、ということです。一般的にこのF1種は一代限りで、種が採れなくて、翌年の作付けの時にはまた種苗会社から種や苗を購入する必要がある、というものです。
栽培に適した形に交雑されていて、病気に強いとか形がいいとか、そういうメリットがあるとされています。

これに対して固定種は、ずっとその土地で種を採って作り続けてきて、固定的に作付けができるようになった作物のことを言います。

たくさん作って広く流通させるにはF1種が有利ですが、こうしてそれぞれの特徴を見比べると、固定種の方がいいんじゃね? という気になりますよね。

固定種は、上述の通り、種を自家採取します。ってことは、種がなるまで育てて、自分で採らないといけない。手間もかかるし、もし種が採れなかったら次回の作付けができないわけです。だから大規模にやるのは大変だし、値段も高くなりがちです。

普段もりもりF1種の野菜も食べているので、偉そうなことは言えませんが、本来は、小さな範囲で固定種を作って食べる、というのが正しい営みのように見えます。

F1の野菜と固定種の野菜(違う種類の野菜ですが)の両方を調理して食べました。どっちも美味しく食べられたのは、材料に加えて、僕の調理の腕がいいからだということにしておきますが、生産者を知っている、という安心感は、食べ物の味にとどまらない充足感があると感じます。

家を建てるときに、地元の木を使うとか、地元の土や紙を使う、ということは、地元のそうした職業が継続していく、という大切な要素がある一方で、儲からないからとか時間がかかるからとか、そういった理由で、産地や作り手を気にしないで行う家づくりもあります。というか、そっちが圧倒的に多いですね。出来上がるものは一見区別ができないものかもしれませんが、それでいいのかな、と問うことはやめてはいけないな、と思います。