【報告】もっと建築でやろうよ! 春の勉強会

 [2018年04月29日]

工務店は、建築を生業にしています。ブラックボックスの設備に頼るのではなく、まずは建築そのもので、もっとやれることがあるのではないか? 
そんな思いを「もっと建築でやろうよ!」という合言葉にこめて、全国から工務店・設計事務所が集い、4軒の建物見学とレクチャー、意見交換がプログラムされた勉強会が開催されました。

1軒目は、大山崎の小住宅です。
京町家の改修を手がける設計事務所、DICETTAの酒井敬洋さんの自邸です。施工は関西の高断熱住宅といえば名が挙がる、ダイシンビルドです。

密集した住宅地の変形敷地に、借景をうまく取り入れながら家族3人が暮らすコンパクトな家です。小さいだけに高断熱によるオーバーヒートが心配されましたが、そこはぬかりありません。シンプルだけど細かい気遣いが随所に見られ、ああ、これでいいんだ、という声が聞こえてきました。

2軒目、3軒目は、一気に和歌山まで移動し、和秋建設による2軒を見学します。

高積山が見える家

びおハウスH。びおソーラーもとりいれられています。

現在、和秋建設が活動している「木の家をつくる会」は、設計・銘木・大工・建具などの専門家集団です。この会をつくるきっかけになった「高積山の見える家(設計/瀧川建築デザイン事務所)」と、新たに取り組みを始めた、びおハウスH(設計/半田雅俊設計事務所)の、ある意味対象的な2軒ですが、どちらも天然乾燥の紀州材を手刻みしています。材料の力もまた、建築の力だと、一同痛感しました。

1日目の宿舎に移動した後も勉強は続きます。

ダイシンビルド・和秋建設の両社社長から、それぞれの思いがこもったレクチャーです。

ダイシンビルド・清水一人さん

ダイシンビルド・清水一人社長は、「あの頃はよかった」なんて言っていては駄目だと、最新技術を身につけることを提案しました。

和秋建設・前田純さん

和秋建設・前田純社長からは、自らが歩んできた道を辿りながら、これからも建築でやるという決意が伝わりました。

日は暮れて、懇親会へ突入です。


2日目は、昨年急逝された三澤康彦さん(Ms建築設計事務所)が、最後に自らの目で確かめた仕事・柿の木荘を舞台に、見学とレクチャー、意見交換会を開催しました。

三澤文子さんから、康彦さんの足跡を紹介いただきながら、柿の木荘について解説を受けます。使わなくなっていた古民家を、人が集い、使う場にしたい、という所有者の気持ちを受け、新旧が素直に同居する新しい場所が生まれました。近年は漆に凝っていて、この柿の木荘にも漆工房があります。一同くまなく見学させていただきました。

最後は、町の工務店ネット・小池と佐塚から、住まいにとって何が大切か、工務店はどうあるのがよいか、という投げかけと、柿の木荘についての意見交換を行って幕を閉じました。

1泊2日、建物4軒の濃密な時間に、参加者は多くのものを見つけたようです。もっと建築でやろうよ!